2016.02.16

港のCAFE

 2月11日(木)


 人通(ひとどお)りが絶(た)えた夜の通りにあって、そのこじんまりとした白い外観のカフェはいっそう際立(きわだ)って見えた。
 入口の扉(とびら)には、今時(いまどき)にしては珍しい丸いドアノブが付いていて、“OPEN”と書かれた看板が可愛く提(さ)げられている。ただ、扉の立てつけは悪いらしい。見ていた限り全員、押したり引いたり何度か「ガチャガチャ」と音を立てては、ようやく開けて出入りする。

 「お近くなんですか?」
 2つ向こうのテーブルに敷いてあったクロスを畳(たた)みながら、ウェイターが訊(き)いてきた。ちょうど一週間前にこの店を訪れた時に、接客してくれた若者だった。
 「いや。でも休日は、この辺りをよくプラプラしていて。コチラのお店も以前から気にはなっていたのですが、なかなか…」
 「最近よくいらして頂くので、お近くなのかと思いました」
 『よく』と言ってくれたのは嬉しいが、正しくは今回が2回目だ…そう、内心訂正して、ソーサーに残っていたビスコッティのひとかけらを口に放りこんだ。

 5分ほど前に、隅(すみ)っこのテーブルにいた母娘(おやこ)の客が出て行ってから、客はオレひとりきりだった。
 座った席の窓からは通りの様子が覗(うかが)えたが、人の往来(おうらい)はほとんどなかった。こんな日だからこれ以上の来客はないと踏(ふ)んだのか、店内には少しづつ片付け始めようとする気配が漂っている。
 ふと窓の外に数人の女子が立ち止まり何やら笑い合っていた様子も、しばらくすると立ち去ってしまった。
 それを見送ると、カップに残っていたカプチーノを飲み干して、オレも席を立った。
 「入りづらい店って、よく言われます」
 カウンターの向こうで片付け物していたマスターが、笑顔を向けてきた。
 それは、今の女子を指(さ)しての事だろうか、それとも先ほどのオレの「なかなか…」といった言葉を指しての事だろうか。オレの言葉だとしたら、この店の雰囲気が入りづらいといったワケではなく、生来(せいらい)オレがカフェというモノに気軽に入れない性質(たち)なのだという意味だったが、それもくどくどと解説するのは煩(わずら)わしく思えた。代わりに、
 「今度は、友人を連れてきます」
 と適当な口約束をして、勘定を済ませた。

 店を出れば、また冷たい2月の空気に身を縮めた。歩いてすぐの所に、もたれるのにちょうどよいレンガ造りの壁を見つけて、そこで撮れたてのカプチーノの写真を確認した。
 あのカフェのマスターが描くラテアートは、実に素晴らしい。

 「ガチャガチャ」

 まだ耳に新しいその音に反応して顔を向けると、開けられたカフェの扉から半身を乗り出したウェイターの姿があって、そしてすぐにまた中へと消えた。
 どうやら、扉の丸いドアノブに提(さ)げられていた“OPEN”と書かれた看板は、“CLOSED”に裏返(うらがえ)されたようだった。

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2015.12.26

Someday at Christmas

 Dec.24
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2015.12.21

Christmas of a Red Brick Warehouse

 Dec.17

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2014.12.15

Someday At Christmas

    

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2014.12.09

ココのトコロ No.27

 12月4日(木)


 ガードレール代わりのポールに、半ば腰かけて空を仰(あお)いでいた。

 日本大通り(にほんおおどおり)の銀杏並木(いちょうなみき)も、見頃を少し過ぎたトコロ。

 騒々しいクラクションの音が気になってそちらへ顔を向けると、肩を露(あら)わにしたウェディングドレス姿の女性が、その裾を持つ男性とカメラマンの女性を連れて、道路をこちらへと渡り終えたところだった。

 どうやら何かの撮影隊の一行で、目の前にあるカフェ・『ランチャン アヴェニュー』と銀杏をバックに写真を撮るつもりらしい。その光景は観る者を惹きつけるらしく、次第に遠巻きに人の輪が出来つつあった。

 そこへ突然、風がビュッと吹いたから、ウェディング姿の女性は寒さに思わず肩を窄(すぼ)めた。

 空を仰ぐと、これが5度目の銀杏の枯葉が舞うシャッターチャンスがあって、手にしたiPhoneをそちらへ向けてシャッターを切った。


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2014.11.10

ココのトコロ No.24

 11月6日(木)


 雨が降ると、

 レンガ張りの地面は、水が捌(は)けきれずに大きな水溜(みずたま)りを作り、

 時にそこに、

 怪しい光景を映すのでした。


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2014.04.30

横浜公園のチューリップ

 4月24日(木)


 「オレにカメラを向けるんじゃねーよ」

 とんだ言いがかりだな。

 ホームレスのキミに用はないが、

 寝転がっているキミの、頭の近くに咲いているチューリップに用があるんだ。

 

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 やっぱりオレは、食気よりも色気037_2
 
 

2014.02.04

ココのトコロ ⑰

 1月30日(木)

 偏頭痛がする一日だった。

 ウチのギャラリーがお世話になった、如月愛さんの個展が横浜であったので出かけた。赤レンガ倉庫のスケートリンクは、強風と季節外れの暖かさとで、『本日中止』の張り紙がされていた。011_2

 午後からは雨になった。晩飯を、例の怖がり倶楽部のふたりと食べるまで予定はなかった。金もなかったし、大桟橋で雨が過ぎるのを待ちながら、閑散としたロビーのベンチで東野圭吾の『白夜行』を読む事にした。027

 2時間ほどして、気分転換に外へ出て伸びをした。まだ小雨はぱらついていたが、向こうの空は明るくなっていた。といっても、時刻はすでに夕方だった。003

 夜景を愉しみに大桟橋へ上ってくる人間達とすれ違いながら、象の鼻公園まで戻って来た。045_2

 晩飯は、怖がり倶楽部1号が引っ越したアパート近くのファミレスだった。064_2

 おわり

2014.01.17

ココのトコロ ⑮

 1月16日(木)


 “あんまん”(中華饅頭)が、食べたくて、食べたくて、食べたくて、

 入ったコンビニのレジで注文したら…



 イラッシャイ(* Ŏ∀Ŏ)ノ 「最後の1つですが」


 ヽ(ε∀ε )ヾ    「それ下さい!!」


 ポリポリ…f(; ̄◆ ̄) 「あ……落としました…トングで挟み損ねた(汗)


 (=ε=;)      「は?…マジで?」
 


 (;´>ω人)      「ごめんなさい」


 εε=L(゚εL゚;)   「フーフーって払ったら、食べられるでしょ?」


 プルプル…((( ;゚;Д;゚;)))「…ダ、ダメです、そんなの」



 ガ━(゚Д゚;)━ンゴ━Σ(゚Д゚;)━ンギ━Σ(゚Д゚||;)━ン!!!
 



 …というワケで、食べているのは“肉まん”



★横浜・山下公園にて038


★みなとみらいの観覧車003

2013.12.24

サンタクロース

 12月19日(木)


 みんな、


 にわかに信じられなかろうが、


 さっき、


 そこで、


 サンタに遇(あ)った


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