2017.03.19

千里眼

 2月23日(木)


 「千里眼…か」(せんりがん。その場にいながら、遥か彼方の出来事を見通せる能力のコト)

 
巨大な逆円錐をした空中レストランに夕陽が射すのを見ながら、先程までの事を思い起こしていた。

 死んでしまった者が、あちらの世界で、いま何をしていて、何故この世を去ってしまったのか…を教えてくれる人間が存在するという話。

 オレは到底受け入れられないが、亡くしてしまった者の喪失感を埋める拠り所になるのなら、それも少しはありかな…と思う。

 教えられるという人間が、善意で言っているのか悪意があるのかによるけれど。

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2017.01.01

2016年の大晦日

 

12月31日(土)


 いま、ようやく店の床のワックス掛けが終わりました。

 プライベート用の年賀状は、まだ手つかずです。元旦には届かず、申し訳ないです。


 皆様、今年もこんなおバカなブログにお付き合い下さってありがとうございました。

 どうか良いお年をお迎え下さい。

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2016.11.25

ある研修旅行にて

 11月7日(火)


 『来るが、遅れます』

 引いた“おみくじ”を開いて真っ先に探す項目は、『待人(まちびと)』と決まっている。

 そこに書いてあった、やっぱりいつもと同じ内容の一行を見て、大吉ではあったけれど木に結ぶ事にした。

 ちなみに『待人』とは『恋人』の事ではなくて、『運命をプラス方向へと誘(いざな)ってくれる人』の事だと聞く。

 前回待人が現れたのは、そう、確か10年前と記憶している。

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2016.10.19

ココのトコロ No.38

 

9月15日(木)

 ココのトコロ変わった事と言えば、社長が一過性の脳梗塞でおかしくなった事くらい。

 それ以外は平穏で、感謝している。

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2016.05.06

上発知のシダレザクラ

 4月21日(木)

 
 バス停の前にようやく見つけた自動販売機で、コーラを買うつもりで財布を開いた。

 そう言えば高校生時代の担任が、今は亡き冒険家の植村直己を崇拝していて、「植村が旅に出る時には、本当に駄目だという場合にだけ掛ける為の、1本の公衆電話代しか持たなかった」と話していたのを思い出した。

 …まぁ、理由は違うが、財布に金がほとんど入っていないという事実は同じだな…

 そう思って、コーラのボタンから少し指を移動させて、ミネラルウォーターのボタンを押した。



 「何処から来たんかいの?」

 そのバス停名に『上発知』とあったので、通りがかりのその村人に「枝垂桜(しだれざくら)は何処か」と訊(たず)ねると、更に2つ先に行ったバス停の近くという。

 「東京です」
 「東京にだって、桜はいくらでもあるだろうがね」
 「まぁ、そうですね」

 「上発知ほどの桜はありません」とでもいう答えを期待していたのか、そもそも通りがかりの男にこれ以上関わる気はなかったのか、村人はつまらなそうに離れて行った。


 確かに、上発知のシダレザクラ以上に絵になる桜は、この春お目に掛かれなかった。

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2016.04.05

千鳥ヶ淵の夜桜

 3月31日(木)


 左足の小指の爪が剥(は)がれかけているのを知ったのは、昨晩の事だった。
  
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2016.03.07

ココのトコロ No.37

 3月3日(木)


 『Mさんがあなたを新しい友達に追加しました』

 LINEのメッセージに、ちょっと首を傾(かし)げた。

 個々のユーザーの設定によるがオレの場合、オレの電話番号をスマホのアドレス帳に登録しているユーザーが、そのスマホでLINEを始めると、オレのスマホに冒頭のメッセージが届く事になっている。

 つまり『Mさんが、LINEを始めた』という事になるが、死んだ人間が、それはあり得ない。そう、このブログにも投稿したが、オレの電話番号を知っている『Mさん』は、1年前に亡くなっている。

 だから正確にいうなら、『Mさんのスマホを現在所持している人物が、そのスマホを使ってLINEを始めた』という事だろう。

 よりによってちょうど命日(めいにち)に、しかもプロフィール写真に“死神”を使って始めるとは、どうやら愉快犯の性質をお持ちのようだ。

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2016.03.01

CutiePai ご登場

 

2月23日(火)


 東京のメガネ組合の会合に登場して下さった、アイドルCutiePai(キューティパイ)のリーダー・まゆちゃん(左)

 ※写真は、会合時間外のものです
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2015.12.31

2015年の大晦日

 今年もおバカなブログにお付き合いを頂きまして、ありがとうございました。

 皆様、どうか良いお年をお迎え下さい。

 ⁽⁽(ᵕ≀ ̠ᵕ ) ⋏º¬͜  Ɩ།

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2015.11.21

なりすまし

 電話が鳴った。時計の針は間もなく、夜の10時を指そうとしている。
 「こんな時間に…」と千晶(ちあき)は、迷惑そうにリビングのソファから立ち上がると廊下へ出た。先ほど自分の部屋に消えた母親が目を覚ましたら面倒だなと思いながら、玄関脇の台に置かれた電話を取った。

 「もしもし」
 しかしすぐに応答はなかった。代わりにガサガサ…と、レジ袋をこすり合わせた様な音が漏れてきた。受話口の向こうの籠(こも)った空間の感じから、相手は屋内から掛けていると思われた。
 やがてボソッと何かを言われた。聞き取れなかったので思わず、
 「立花ですが」
 と、こちらの姓を名乗った。
 「あ」
 相手が意識して、少し声に力を込めるのが分った。それでも、あえて声を抑(おさ)えている事は明らかだった。
 「弓弦(ゆづる)だけど」
 「弓弦?」
 咄嗟(とっさ)にそう訊(き)き返していた。2階の部屋にいる筈の弟が、なぜ外から電話を掛けてくるのだろう?一体いつ、この玄関から出て行ったのか?まさか自暴自棄になって飛び出して、「これから死ぬ」とでも告げにきたのだろうか?
 にわかに事態を理解できないまま、千晶は少し緊張して訊いた。
 「なに?どうかしたの?」
 「いや、」
 「………」
 「いや、夕方こっちに着(つ)いて」
 何を言っているのだろう?と思う。
 「明日、家の近くへ行く用事が出来たんだけど、」
 「………」
 「ちょっと寄ってもいいかな?」
 「………」
 ここまできて、何となく事態が呑み込めた。本人ではなく、“なりすまし”…道理で、声のトーンも可笑(おか)しなワケだ。
 千晶は一呼吸置いてから、
 「弓弦は、同居してるんだけど」
 と、出来る限りドスを利かせた声で冷たく言った。
 すると、弓弦を名乗る相手の一瞬息を呑んだ気配と、それに続いてゆっくりと受話器が耳から離されて置かれる様子が手に取る様なリアルさで伝わってきて、電話はガチャリと切れた。

 「誰から?」
 母親が部屋から出てきた。案の定、話声で起きたらしい。
 「間違い電話」
 正直に話すと怖がって眠れないと思った千晶は、今夜のトコロは素っ気なく答えながら、受話器を元に戻した。

 それにしても…と千晶は思う。
 いきなり弓弦の名を名乗られたのには、些(いささ)か驚かされた。立花家にそういう名の人間がいると判っていての電話だから。しかし少し考えれば今の世の中、家族構成が載っているデータを入手する事など、容易(たやす)いのだろう。そしておそらく弓弦を名乗る事にしたのは、次男だから長男の千晶よりも実家を出ている可能性が高い…そんなところだろう。
 ただ、弓弦が家どころか部屋からも出ない“引き籠(こも)り”という事までは、まだリサーチが及んでいなかったらしい。

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