2015.12.14

妙義山 『日暮しの景』

 12月10日(木)

 
 日本三大奇景の一つに数えられる群馬県の妙義山(みょうぎさん。1,162m)

 そんな魅力ある景観とは別に、全体として垂直に近い岩山が続くため、多くの死亡・遭難事故が繰り返し起こっている山としても知られている。

 ニセモノ山男としては徐々にスキルを上げて、冷静に自分の力量を見極めつつ首尾よくいけば、

 2016年秋に『中之嶽』、そして2017年秋には『丁須の頭』(ちょうずのかしら)という妙義山の2大スポットへと、相継ぐ予定でいる。



      

2015.11.04

金峰山アタック

 10月29日(木)

 山梨県と長野県に跨(またが)る『金峰山』(きんぷさん。標高2,599m)。百名山の一つに数えられ、山頂からは360度の眺望が楽しめる事から人気がある。また山頂には五丈岩(ごじょういわ)と呼ばれる高さ15m程の大きな岩があり、この山の御神体でありシンボルになっている。ちなみに先日の瑞牆山(みずがきやま)とは、隣合っている。
     


AM  4:28
 大森駅発。晴れの予報の筈が、玄関を出て駅へ着くまでに霧雨に濡れた。山梨県とは直線にして約130km離れているとはいえ、不安が過った。

AM  7:22 塩山(えんざん)駅着。金峰山への登山口の一つ大弛峠(おおだるみとおげ)は、山深(やまぶか)くに位置する。土日・祝日には駅からバスが運行されるが、平日は運行されない。駅前のロータリーで、予約しておいたタクシーに乗った。
 「(山の)上の天気は、どうなんでしょうねぇ」ドライバーが開口一番そう訊いてきた。それはコチラが訊きたい事だ…と思いながら、「予報では、晴れなのですが」と答えた。「日によっては、正面の山の上に五丈岩が見える筈なんですが、今日は見えないや」フロントガラスの向こうを顎で杓(しゃく)って続ける。どうやら今日の天気は悪いと言いたいらしい。
 それだけ言葉を交わすと、あとはお互い無言のまま、車は山道をくねりながら進んで行った。

AM  8:25 大弛峠着。タクシー会社の好意かドライバーの親切心か、メーターはキリの良い金額になったトコロで倒された。
 曇天でガスって(雲や霧が立ち込める事)いた。しかも寒い。ザックにフリースと、万が一の為にダウンジャケットを突っ込んできて正解だった。
 『大弛峠から山頂までの道のりは緩やかなアップダウンのうえ、眺望の利く尾根(おね)歩きで天国気分』と書いてあった記事を思い出した。残念ながら、今日に限っては違うらしい。夜に雨が降ったのか濡れた登山道をしばらく行くと、1組の年配のご夫婦に追いついた。品の良さが覗(うかが)える。追い抜き様に奥さんが「車でいらしたの?」と訊いてきた。「いや、タクシーで」「あぁ、さっき止まったタクシーは貴方(あなた)だったのね」そうだと苦笑して見せると、「結構、するでしょう?」とご主人が訊いてきた。「12,000円ほど…」そう、天気を精査して計画を練ってきたのは、まさにそこだった。何度も利用できる金額ではない。「まぁ、帰りは瑞牆山荘まで降りて、バスで格安に帰ります」そういって足を早めると、「あたし達何度か上っているけれど」と背中に声を掛けてきた。「山頂から向こうは距離が長いから、時間に余裕を持ってね」「憶えておきます」そういって、2人と別れた。

AM  9:35 朝日岳(あさひだけ)山頂着。ガスは更に濃くなって、眺望は利かなかった。たまにガスの晴れ間から先日登った瑞牆山(みずがきやま)が見えたが、それも一瞬の出来事だった。

AM 10:40 金峰山山頂着。山頂への最後の一上(ひとのぼ)りは、大きな花崗岩(かこうがん)がゴロゴロと積み重なった足場を、その岩から岩へと飛び移りながら移動する若干手に汗握るものだった。立ち込めた濃密なガスによって辺りは真っ白で、だから一際(ひときわ)大きな一枚の岩の上に立った時、そこが山頂とは判らなかった。遅れて隣に上って来た男性登山者が、「完全にホワイトアウトだな」と言った。冷たい風がビュービュー吹いて寒かった。15分程その岩の上に立ったまま、ガスが晴れるのを待った。立っている場所と対局に位置する五丈岩とその後ろに広がる雲海の光景を見たかったが、どうやら叶わないらしい。とりあえず、ようやく一段岩を降りた岩陰に身を隠して、持参したフリースを着た。そのまま昼食の握り飯を口に運んだ。いつものボスと一緒の登山ならばここで温かい汁物でも登場するところだが、今日は冷たいままの食事を腹に収めた。
★写真奥が五丈岩Fullsizerender_28

AM 11:45 金峰山山頂発。下山の支度が済んだ所で、再び寒風に晒(さら)される岩に登った。僅(わず)かにガスが晴れた一瞬を狙って写真を撮った。そこへ、「あら、お兄さん」と声を掛けられた。あのご夫婦だった。このホワイトアウトの中でも飄々(ひょうひょう)として見えるのは、「何度か上っている」経験からだと思った。「下りる道は、五丈岩の右にあるから。しばらく岩場だけれど、すぐに樹林帯に入るから大丈夫」と親切に案内してくれた。感謝。

PM 12:10 千代ノ吹上(ちよのふきあげ)。登山道の片側が鋭く切れ落ちた光景が美しいといわれるポイント。もう片側はハイマツに覆われたなだらかな傾斜になっていたので、そちらを行った。後ろから健脚そうな若いカップルがきたので、道を譲った。男性の着けたカウベルが「チリンチリン」と響きを残してあっという間に遠ざかっていった。
 山頂でガスが晴れるのを粘っていたせいで、予定よりも15分のロスが生じてしまった。あのご夫婦の「時間に余裕を」という優しいアドバイスも、裏切る形になってしまった。少し気が急いていた。Fullsizerender_69

★写真右、樹に重なっているのがボクFullsizerender_43

PM 13:00 大日岩(だいにちいわ)着。ノンストップで下りてきた道は、思っていた以上にハードだった。ようやく一息入れようとザックを降ろすと、「今日は生憎(あいにく)でした」と木陰から声がした。中年男性がアンダーシャツを着替えている。「昨日の瑞牆山からの眺望は最高だったから、今日は一層期待して金峰山へ上ったのですが、見事に裏切られました」と笑った。今夜は瑞牆山荘泊りだそうだ。「ボクは、15時過ぎのバスに乗らなくてはならなくて…」「じゃあ、急がないと。私はもう少し此処でのんびりしていきますが、貴方はそうもいかないみたいだ」なんだか尻を叩かれた気がして、一口大のクリームパンと水を補給するとザックを背負い直し、「では」と出発した。

PM 13:30 大日小屋着。千代ノ吹上で追い越していったカップルが休憩していた。歩みは緩めず軽く会釈しただけで、先を急いだ。それにしても先日瑞牆山へ上った折りにボスが、「瑞牆と金峰はセット」と言っていたが、下りてきた道のりを思い起こすと、このルートを上りに使うのはかなりキツイな…と思った。

PM 14:15 富士見平小屋着。料金箱に100円を入れてトイレを使わせて貰った。わずか3週間前に立ち寄った場所。あの時1つだったテントの数が、今日は7つ。紅葉を楽しむには絶好の季節になった。

PM 14:50 瑞牆山荘(みずがきさんそう)着。『里宮』からの道が判りにくく少し迷ったが、何とかバスの発車時刻に間に合った。ところがバス停に運行状況についての注意書きがあったので、目の前の瑞牆山荘の戸を叩いた。「時間通り来る筈よ」と女主人?に教えられ、ホッとした。喫茶室の前に置いてあったメニュー表に目を落としていたら、「珈琲を飲む時間は、たぶんないかも」と笑われ、礼を言ってバス停へ戻った。

PM 15:25 瑞牆山荘発。バスは、増富(ますとみ)ラジウム温泉峡を抜けてゆく。車窓から見える紅葉は、真っ盛りだった。
 最寄り駅の韮崎までの交通手段は、このバス以外はタクシーしかない。そのバスも運行期間が来月23日で終わるというから、いよいよ冬山シーズン到来ってコト。冬山は怖いから、“ニセモノ山男”のボクの登山も、今年はこれで終わりと思われる。Fullsizerender_16

 おわり

2015.11.02

御岳山トレッキング

 10月22日(木)


 仲間うちで一番生真面目(きまじめ)な男・モンローと、御岳山(みたけさん)へトレッキングに出かけた。

 紅葉には少し早いせいか、彼の景観への関心は薄いようだった。
 
 昼食は「ボソボソ…」と、慣れない山歩きに付き合わされたせいで食欲が湧かないらしい。

 オレが、あんな事や…Fullsizerender_27

 こんな事で…Fullsizerender_19

 ちょっとした笑いを誘ったつもりも、反応は薄く、

 ちなみに山ガールとすれ違っても無反応…


 黙々と前を歩く、そんなモンローの背中に向かって、

 「あのさ、楽しみって何?」

 と訊ねてみたが、

 「う~ん…」

 と言ったきり、返事は返ってこなかった。

2015.10.18

瑞牆山アタック

 10月8日(木)


 山梨県北杜(ほくと)市にある『瑞牆山』(みずがきやま。海抜2,230m)

 ノコギリのような独特のギザギザ頭は今から2万年以上も昔の火山活動の名残で、その大小様々な形の岩が切り立つ山頂は、奇峰の名にふさわしい(Wikipedia解説参照)

 大小の奇岩にはそれぞれ名前が付けられていて、例えば写真右下に顔を出している岩はこの山のシンボル的な岩で、『大ヤスリ岩』という。

 そんなこの奇峰の全貌は、そのうち登る予定の金峰山(きんぷさん)の中腹から望められると思われる。

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2015.03.02

やれんのか東京マラソン2015 ㊦

 東京マラソンから一週間が経った。
 ゴール直後は激痛で歩くのもままならなかった身体も、現在はもう何ともない。それもあって、これからちょっと走ってこようと思っている。

 いや、ランニングコースの途中に小さな祠があって、そこを横切る度に『怪我なくスタートラインに立てますように』と頼んでいたから、無事走り終える事ができた報告に。

 遅くなってしまったけれど結果は、

 ・グロスタイム(スタートの号砲が鳴ってゴールするまでの時間)    5:26:45

 ・ネットタイム(スタートラインを通過してからゴールするまでの時間) 5:05:59

 およそ20分、前回の記録を短縮する事が出来た。
 ガンバッた、オレ╭( ・ㅂ・)و )))

 さて、
 これで目標がなくなってしまった。これからどうするかな…

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★スタート前にTV局のインタビューを受けた。Imgp3057_2
★スタートから5kmあたり。元気ハツラツ(め組(眼鏡組合)の加藤さん撮影ありがとう!!)Fullsizerender_3_2
★15kmあたり。沿道から母・曜子に呼び止められて驚いた。『息子を見落とすまい』と、トップグループが通り過ぎる前から待っていたらしい…2時間くらいか。その他、友人のデメキン、モンロー苺谷、マッキー、カオル、クーコ、民生、応援ありがとう!!(写真購入を申し込んだので掲載)Img_7899

★20kmあたり。め組の事務所が近くの日本橋。事務局のお姉さん・橋谷さん(右)、アイドル歌手のCutiePai・まゆちゃん(左)、写っていないけどマネージャーの原田さん、め組の加藤さん、応援ありがとう!!Img_7866
★たぶん30kmあたり。前半飛ばし過ぎて、後半はボロボロ。実は気持ちが折れる寸前だった(写真購入を申し込んだので掲載)Img_7896
★40kmあたり。死にそう…(写真購入を申し込んだので掲載)Img_7895
★ゴール!!(写真購入を申し込んだので掲載)Img_7894

★頭に乗せた白馬も満足げだったFullsizerender_1

 おわり

2015.02.22

やれんのか東京マラソン2015 ㊤

 今日は雨の予報だって。

 家を出る時に、頭にかぶる白馬のかぶり物に防水スプレーをした。

 7時にJR新宿駅西口で待ち合わせて付き添ってくれていた『め組』(東京の眼鏡組合)の加藤さんとさっき別れて、今はひとりで指定されているスタート整列位置に向かっている。
 ちなみにそれは、36,000人のランナーのうちの最後尾のグループ。このグループだけ整列が道路ではなくて公園を指定されてるってトコロが、なんかおかしくてイイ。

 前回(2013年)の記録は、

 ・グロスタイム(スタートの号砲が鳴ってゴールするまでの時間)    5:46:44

 ・ネットタイム(スタートラインを通過してからゴールするまでの時間) 5:25:55

 
 では、いってきます。


 ↓ナンバーカード番号『K 40158』か、姓名『時澤淳一郎』を入力して頂くと、ボクがどの地点を走っているのかなどが分ります。もしご興味のおありの方がいらしたら、ご覧下さい。

 ★東京マラソン応援ナビ http://p.tokyo42195.org/branch.html

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2013.08.11

鷹ノ巣山アタック

 8月8日(木)


AM  4:00 起床。11年前になるが、師匠と鷹ノ巣山(たかのすやま)へ上った折、山頂付近で無数のブヨに噛まれた(刺された)記憶があったので、今回は虫除けスプレーを用意した。それと水3ℓ。


AM  5:00 出発。奥多摩の天気は日中は晴れ、夕方からは雨の予報。12時には登頂したいと思う。


AM  8:01 奥多摩駅着。そのまま『奥多摩湖行き』のバスに乗り換えた。『1人…2人…』、お盆休み間近にも関わらず、登山客は少なかった。


AM  8:20 水根(みずね)バス停下車。若い男が1人、一緒に降りた。トイレを済ませているうちに見えなくなった。後になって思えば、このあと再び会う事がなかったところから、六ツ石山(むついしやま)方面へ向かったと思われた。


AM  8:30 水根川林道を行く。進む度に、最初はずっと下から聞こえていた沢音が徐々に上がって来た。それにしても登山道はこんなに狭かったか?…所によっては、捕まるロープが張られていた。103

AM  9:30 眼下に沢が見え始める115

AM  9:40 ワサビ田に掛かる古い橋を渡った。121

AM  9:50 『木橋』に到着。此処で最初の休憩。水と小さなクリームパン1個とナッツを腹に入れて、10分足らずで出発する。ろくに腰かけもせず、立ったまま過ごすそのせっかちさが、このあと山頂近くで脚に来るのだった。135

AM 10:20 登山道が解らなくなる…とりあえず、右へと向かう登山道らしき道を進み始めるが、あまり踏み固められていない地面の様子に不安になって引き返す。解らなくなった地点で再び他の登山道を探すと、左方向にそれらしき道を発見して進む。踏み固められた地面に確信して足を早めた。すると途中で、右下からの道が合流してきた。どうやら、先に引き返した道らしかった。


AM 10:50 木々の隙間から見える空模様が怪しくなってきた。晴れると言っていたのに…沢とはとっくに離れた筈なのに、右方面から遠く、「サー…サー…」と、水の音が聞え始めた。たぶん、雨だ。テンションが下がる。ザックからレインコートを出しておこうか?と迷いながらも黙々と上る。


AM 11:30 ようやく『石尾根(いしおね)縦走路(じゅうそうろ)』に出た。周りの山の頂は、モヤって見えなかった。山頂からの眺望の期待は、もう捨てよう。それにしても、今日は誰にも会わない。山に一人ぽっちとは、心底心細いモンだ。あれこれ考えながら道を進むうち、少し開けた場所に出た。名前は解らないが、黄色い花が咲いている。少し気持ちが和んだ。147_2

PM 11:50 道標に遭難者の捜索願いが貼られていた。もし鷹ノ巣山付近一帯へお出かけの方がいらっしゃったら、心がけてあげて下さい。13

PM 12:00 鷹ノ巣山と水根山の“コル(峰と峰を結ぶ尾根の一番低い所)”に出た。山頂まであと僅かだが、これからが一番ハードな記憶がある。そして以前、此処からブヨにやられたので、立ち止まって入念に虫除けスプレーした。158

PM 12:10 左右の太ももが攣(つ)り始める。前回の馬頭刈(まずかり)尾根での終盤の症状が、こんな中盤で現れるとは思ってもみなかった。痛さに耐え切れず、立ち止まる。辺りを見渡すが、モヤってよく見えない。ただ、山頂方向から人の声が聞こえる。その声に励まされて脚を動かした。165

PM 12:15 鷹ノ巣山(標高 1,736m)登頂。曇り。先程の声の主は、60歳代と思しき女性2人組。それともう一人、離れた場所に30歳代と思しき男性が、ジッとモヤの先を見つめている。2組とも、オレがこれから下る、中日原(なかにっぱら)から上がってきたという。今日初めて岩に腰を下ろして、握り飯を頬張った。女性の1人が、自家栽培のミニトマトをくれた。「美味しい」と答えると、「山頂で食べる物は、何でも美味しいものよ」と豪快に笑い返された。そんなモンか…。「虫が多いわね」。もう一人がそう言い、出発の支度を始めた。やはり山頂は“虫の頂(いただき)”だ。虫除けスプレーが幸いして噛まれはしないものの、おびただしい数のハエとブヨ、そして今日は恐ろしく大きな羽音を立ててスズメバチも飛び交っている。3人が立ち去ると「標的はお前ひとり」とばかりに身体にまとわりつき始めたので、ランチもそこそこに、モヤが晴れる一瞬を待って写真を撮り、山頂を後にした。

★モヤの向こうには山並みが見える筈255

★モヤが晴れたトコロ172


PM 13:00 有名な『ヒルメシクイノタワ』。“タワ”って、山並みのピークとピークの間の
峠みたいなモノだから、昔の人が『昼飯を食べた峠』って事だろう。195

PM 14:15 長い長い急坂を下ってきた所。突如正面に現れたのは、『稲村岩(いなむらいわ)(標高 843m)の頂上部分。なので、一登りすれば頂に手が掛かる。204

折角だから上ってみるか…ただし、手で岩を「ガシッ!!」と掴んで、上らなくては行けない。211

上り切ると、更に幅狭い岩の上を前進し、向こう端に見える小搭状の岩を目指す。そこが稲村岩の“てっぺん”。しかしこうみえて、オレは高所恐怖症なんだ…滑ったらアウトな感じに足が竦(すく)む。眺望は、木が邪魔してよく見えなかった。213

PM 14:50 稲村岩から更に拍車の掛かった急坂を下って、やっと『巳の戸沢(みのとさわ)』に到着。地上に帰ってきた。中日原のバス停まで、今しばらく巳の戸沢沿いを歩く。231

PM 15:40 ついに登山道を抜けた所。振り向いた先には、稲村岩(写真・中央)がそびえて見えた。ついさっき、あのてっぺんに立っていたとは思えない。244

PM 16:26 中日原バス停の前には井戸があった。11年前にもあった。確か少年が、飼っている亀の水槽を洗っていた。今日は小母(おば)さんが手を洗っていた。バス停に立ったままその様子を見ていたオレに、「なに見てるの?」と笑い問うてきたので「別に」と答えた。「隣の東日原のバス停へお行きよ。ベンチがあるさ」と教えてくれたが、「立ってるのが好きなんで」と正直に言った。そんなオレを小母さんは、「天の邪鬼(あまのじゃく)だね」と苦笑して、近くの家へと姿を消した…チョット後悔して、地面に下ろしていたザックを背負いなおし、教えて貰った東日原のバス停に向かってゆっくりと歩き出した。


おわり

2013.07.21

馬頭刈尾根アタック

 7月11日(木)


AM  4:00 起床。暑さから、水道水1ℓをボトルに詰め、それと途中のコンビニで500mℓボトル2本を買い、計2ℓの水を背負って登る事にした。


AM  5:23 『大森駅』発。晴れ。季節柄、ゲリラ豪雨に遭わない事を祈る。


AM  7:14  『武蔵五日市駅』着。“藤倉行き”のバス亭のベンチ。発車まで30分あった。行先が山方面だからか、若い女性がひとりきり。優木まおみ似で可愛いかった。4人分離れて女性の横に腰かけて、朝食のパンを食べた。やがて、発車したバスは途中の停留所から乗り込んでくる小学生達で一杯になった。彼らのやり取りから、女性がその小学校の先生である事が解った。


AM  8:15  『千足(せんぞく)』下車。下調べで勘違いし、2つ手前の『払沢(ほっさわ)の滝入口』から此処まで15分程歩く覚悟だったので、ラッキーだった。身支度を済ませ、バス停斜向かいの林道へと入る。此処から20分ほどアスファルト歩き。


AM  8:50  『小天狗滝』着。此処に来るまで何度か水の流れを跨(また)いだが、水量は多そうだ。073

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AM  8:55  『天狗滝』着。落差、約20m。滝壺まで下りて写真だけ撮って、すぐに発った。084

AM  9:30  『綾(あや)滝』着。この辺りは滝の連続。以前、師匠と訪れた時に休憩した場所。今回も15分ほど休憩する事にした。096

この滝まで来て誰とも出食わさないとは思わなかった。今日はこれから先も他人に遇う事は少ないだろうと予想する。此処で、500mℓのペットボトルの1本が空になった。後々、水を補充しておかなかった事を後悔する。142

AM 10:30  綾滝から続く500m歩く間に標高差300mを上る急勾配をどうにか上り切ると、目の前を左右に走る『馬頭刈尾根(まずかりおね)』縦走路(じゅうそうろ)に出た。少し上には『つづら岩』がそびえ立つ。さて、右へ行けば馬頭刈山(まずかりやま)、左へ行けば富士見台。富士見台からの眺望が楽しみで、予定通り左へ。


AM 11:00 『富士見台』着。草木が生い茂り、眺望は利かない。ただの原っぱだ。ガッカリ。廃(すた)れた東屋(あずまや)の床にリュックを下ろし、2度目の休憩。リュックの上を這(は)う2匹のシャクトリ虫を見つけ払い落す。縦走路に入ってから、木からぶら下がるシャクトリ虫が度々身体に着くので気持ち悪かった。10分程して、再び綾滝からの合流点へ引き返す事にした。


AM 11:30 綾滝からの合流点に帰還。シャツを汚してしまった。タイツは右脹脛(ふくらはぎ)の箇所が破けて、カメラはキズついた。此処へ引き返す途中、岩がむき出しになった下り坂で仰向けに数メートル滑落した。背負ったデカいリュックのおかげで頭を打たずに済んだのが幸いだった。眺望といい、シャクトリ虫といい、富士見台へは行かなきゃよかった…。


AM 11:33 実は綾滝からの合流点に近づくにつれ、徐々に大きくなる誰かの話し声を耳にしていた。合流点から一登りした『つづら岩』の前で、その主である女性2人組と出遇った。つづら岩を指して、「初めて見るの?大きいでしょ」と話す所からして、旅慣れた山ガールと見えた。ともあれ、この日初めて人に出遇えてホッとした。


PM 12:00 先につづら岩を発った女性2人の後を追う形になったが、一向に追いつかない。やはり、それなりの健脚の持ち主だった。道は、延々と尾根(山の峰から峰へと続く道)歩きが続く。といっても眺望は利かない。しかも上り坂と下り坂のかなりの頻度の連続に、ヘロヘロだ。水は1ℓを飲み干した。ところで、つづら岩から歩き出してすぐ道に迷い、しかも2回目の軽い滑落…今回は何なんだ。148

PM 12:30 『鶴脚山(つるあしやま)』山頂着。眺望ゼロ、しかも狭い。ようやく、先程の女性2人組に追いついた。彼女達は此処で昼食にするらしかった。オレは、先を急ぐ事にした。写真は、馬頭刈山へ向かうため一旦、鶴脚山から下って振り向いた様子。馬頭刈尾根は、こんなアップダウンの連続。149

PM 13:00 『馬頭刈山』登頂。誰もいなかった。眺望は、山頂標識の向かって左奥に茂る草木の隙間から僅(わず)かに山影が見えるだけ。ただ秋冬になり草木が枯れれば、そこそこ利くかもしれない。20分程で食事を済ませ出発の身支度をしていると、話し声が聞こえてきた。てっきり先程の女性2人組かと思ったら、別の男女2人組だった。身支度の手を動かしながら2人の会話に耳を傾けていると、男性はこの尾根を何度か歩いているらしい。「いつもお一人なんですか?」と訊かれたので「最近は」と答えた。写真撮影を頼むと快くOKしてくれ、オレは「お先に」と山頂を後にした。それでも2人は、小休止だけですぐに山頂を後にしたらしく、少し下った所であっさりオレを追い抜き消えて行った。121

PM 13:30 途中、やっと馬頭刈尾根の眺望が開けたトコロ116

テンション上がる133

PM 14:00 『高明山(こうみょうさん)』着。小さな社(やしろ)と鳥居があっただけ。社に手を合わせて後にした。


PM 14:20 『軍道(ぐんどう)分岐』。跨(また)げば通れるほどだが、倒木で麓(ふもと)の軍道への道は塞(ふさ)がれていた。倒木の向こう、軍道側に若い女性がひとり座っていた。「どうかしたか?」と訊くと、「連れ待ち」という。アクシデントではない様子に「それじゃ」と短く挨拶して、軍道とは反対の『瀬音(せおと)の湯』への道を下る。馬頭刈尾根とは此処でお別れ。150

PM 15:00 地図に記された参考タイムからすれば疾(と)うに『瀬音の湯』へ到着している筈が、未(いま)だ辿り着けずにいた。喉はカラカラだった。水は30分程前にほとんど飲み干していた。馬頭刈尾根から反れたというのに、一向に終わる事ないアップダウンの連続。終には両腿(もも)が攣(つ)り脚が前に出なくなったので、3度ほど、立ち止まらざるを得なくなった。「このルートは、もう2度と通るまい…」なんて弱音が口をついた。151

PM 15:20 ようやく『瀬音の湯』に到着。敷地内の路肩にへたり込んだ。


PM 18:03 荷田子(にたご)のバス亭。かれこれ40分程、バスを待っている。
 あれから、『瀬音の湯』の下駄箱にのろのろと靴を入れていると、横から「お疲れ様でした」と声を掛けられた。素顔で誰だか解らなかったが、湯船に浸かるうち、それが馬頭刈山山頂で出遭った男性だと気づいた。あの時はサングラスをしてたから。風呂から出て甘味処で“白玉あんみつ”を食べていると、「あら、お兄さん!!」と声がしたので顔を上げると、鶴脚山で後にしてきた女性2人組だった。皆、軍道でなく瀬音の湯へ下りて来たようだ。彼女達とはしばらく話に花が咲き、「しかしこれからどうするのか?」と訊くと、「ビールが美味しいから、もう少し居る」という。「そう。なら、ここで」と握手してリュックを背負った。バスの出発まで時間がないのだった。小走りにバス停までの坂道を駆け上がっていると、カブトムシか?飛んできた甲虫の後を咄嗟に追ってしまった。『なんだ、カミキリムシか』。思い出して、再びバス停へと向かいかけた所、少し先をバスが走り過ぎて行った。時刻表より2分早い…「手を上げればよかったのに」と息切れした声がする。振りかえると、馬頭刈山の男女がいた。彼らも走ってきたのか。「奥多摩のバスは、手を上げればバス停じゃなくても、止まるんですよ」そう言うと、「仕方ない。僕らは歩いて行きます」と軽く会釈されたので、こちらも軽く返した。

 なかなか来てくれないバスを待っている。
 日中はあんなにギラギラしてた太陽も今は山の陰に隠れようとして、吹く風も涼しくなった。
 『オレも、一緒に歩いて行けばよかっただろうか…』なんて思いが頭を過った。いや、それでも運がよけりゃ、朝出会った可愛い先生に、またバスで遇えるかもしれない。002

おわり

2013.06.09

大岳山アタック

 6月6日(木)


 梅雨の晴れ間を狙って、奥多摩の大岳山(おおだけさん)へ出かけた。天気予報では午前9時から昼過ぎまで太陽が覗くとあったので、雨、ましてや雷なんてまっぴら御免のオレは、早朝の電車に乗るのだ。


AM  4:00 起床。蚊のおかげで、実は1時間前には目醒めてた。


AM  5:00 出発。空はどんより。


AM  5:23 大森駅発。


AM  7:45  御嶽駅着。ケーブル下(滝本駅)行のバスに乗り込んだのは8名。うち4名は、「大岳に向かう」らしい。


AM 8:30 御岳山駅着。ケーブルカー使用。モヤっていて、眺望はゼロ。013

AM 9:00 まだ人気のない参道を抜けて、山頂にある『御嶽神社』へ。いつもの様に登山の無事を祈り手を合わせた。001

AM 9:15 『長尾平分岐』を右へ行くと出会う樹齢350年、高さ60mの『天狗の腰掛け杉』。しばらく立ち止まって眺めていると後ろから、バスで一緒だった4人組が追いついてきた。「生憎、モヤってますね」と声を掛けるとその中の女性が「あら、神秘的で素敵よ」と返してきた。あぁ…そういう解釈もあるのか。彼女らはそのまままっすぐと平坦な道を歩いてゆく。オレは『奥の院』を目指す為、右の道へ。020

AM 9:45 小雨が降ってきた。少し心細くもあった。028

AM 10:00 『奥の院・男具那社(おぐなしゃ)』。そして、ひと登りして『奥の院』山頂へ出た。もちろん眺望、ゼロ。腰を下ろして、小休止(写真中央の岩の上)。“割けるチーズ”とは、ゴムを噛んでいる様でマズイ。代わりにナッツの封を切った。これから歩く芥場峠(あくたばとうげ)へと向かう道から、年配の男性が現れた。リュックから下げたテープレコーダーから擦れた何かの曲が流れてくる。熊除けだろう。「こんにちは」と声を掛けたが、オレには目もくれず、オレが上ってきた奥の院への道を下って行った。003

AM 10:20 『鍋割山(なべわりやま)』山頂。樹木により眺望、ゼロ。010

AM 11:10 『大岳山荘』。廃屋。怖がり倶楽部は、ココまで上って来られないだろうから残念。011

その向かいに立つ大岳神社の鳥居。いよいよ上りもクライマックス。以前師匠と訪れた時には、ココから山頂への道は“下り”として使った。確かゴツゴツとした岩道が延々と続く。時には手を使って上るほどに。005

AM 11:30 肩で息しながらの『大岳山』登頂。残念、やはり眺望はきかない。にも拘らず、若い男3人、若いカップル2組、年配者のパーティ10人で賑わっていた。そんな他人に背を向ける格好で、突き出た岩に腰かけて握り飯3個を頬張った。パーティの1人が「メガネ屋さん?」と声を掛けていらっしゃったので「一応」と答えて、記念に写真を撮って貰った。
PM 12:00 ジャストに山頂を後にする。049

PM 13:00 『綾広の滝(あやひろのたき)』。1時間かけてかなり下って来た。滝の入口を見過ごし、5分程行き過ぎてからまた引き返したのだった。その入口でリュックを下ろし休む男性が言うには、「先日訪れた時の水量はもっと多くて、滝に打たれる修験者もいた」そう。060

PM 13:35 『天狗岩』。岩の表面には写真の大木の根が這い巡っている。その根と備え付けられた鎖を使い、時に這う様にして登り降りるのだった。岩の上に立ったオレに続いて、ひとりのガール(20歳代の女性)が登って来た。地味な装いながら愛しげな顔立ちをしていた。手には杖を持っていた。「お先に」と降りたが気になってガールを仰ぐと、ガールも降りてくるのだが、かえって杖が邪魔になって恐々だった。しばらく試行錯誤の様子の末、杖をそこに置き去りにして降りてきた。“ええカッコしい”のオレが「杖を取ってきてやろう」と言うと、「道すがら拾った木の枝だったから、また拾うからいい」とペコリと頭を下げて、オレがやって来た方角へと歩いて行った。066

PM 13:50 『七代の滝(ななよのたき)』。鉄のハシゴ段をどこまでも下りてゆく。引き返す時になって『見に下りなけりゃよかった…』と後悔するほどだ。滝の傍ではレジャーシートを広げた山ガールが3人。ガチガチの登山よりも、こういったものを好むのか…一応メモしておこうφ(・ω・ )070

PM 14:15 「食虫植物の“サラセニア”」。先ほど滝の入口で出会った男性が追いついて来て、「何を撮っているんだ?」と訊ねられたので、知ったかぶった…真相は知らない。
※後日、サトイモ科に属する『テンナンショウ』と判明。食虫植物ではなかった075

PM 14:50 御岳山駅。スタート地点に戻って来た。モヤは晴れていた。遠くに望めるのは副都心のビル群らしい。更に『日の出山』まで足を延ばそうと思ったけれど、師匠との「夕方4時には麓へ下りている様に」という約束を破る事になるので、諦めて下りる事にした。077

PM 17:53 それから、

       林道を歩いて御岳山を下り、御嶽駅から奥多摩駅まで電車で移動して、日帰り温泉『もえぎの湯』で汗を流した。その頃には、写真を撮ってたせいでスマホの電池はカラッポで、家に一報入れておこうと女将さんに、「公衆電話は?」と訊いたトコロ「ない」と言われ困った。「重要な用件ならフロントの電話をお貸し致しますが、どうなさいます?」と言われ、少し考えて、「やっぱりいい」と温泉を後にした。
 そろそろ日も暮れようとしていた。雨に見舞われなくて感謝だ。向こうから歩いてきたおばあさんがすれ違い様に、「おかえり」と言ったので「ただいま」と答えた。オレの服装からして、無事山から帰ってきた様子に「おかえり」なんだろう。
 時刻表で調べておいた通り、ホームにはちょうど奥多摩駅発の上り電車が停まっていた。手動式のドアの「開」ボタンを押して、電車に乗り込んだ。


 おわり

2013.03.02

やれんのか東京マラソン2013 ⑨

 そろそろ東京マラソンボケからも醒めなくてはね


 <(*ΦωΦ*)>


 最後に、

 東京マラソンの関係機関が撮ってくれた、ボクの『フォト』。←クリックして、『ゼッケン番号』に“45312”を入力。もし『閲覧パスワード』を求められたら“2013”を入力。

 では皆様、『やれんのか東京マラソン2013』の記事もコレが最後。

 この秋再び応募し、もし当選したら、『やれんのか東京マラソン2014』でまたお会いしましょー!!

 

 (ŏᆺŏυ)⁼³₌₃ 長かったなー


 
おわり